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アデオジャパン

アデオジャパンは「先進国の人間が国際協力をする違和感」を教えてくれた。


アデオジャパン:前田実咲さん、村岡楓公さんインタビュー

アデオジャパン(ADEO Japan)は、「アフリカ及び日本社会の相互理解、人々の行動促進」をテーマに掲げて活動しているNGO団体です。ケニアのナイロビに本部を置くアフリカ発のNGO「ADEO」の日本支部として、大学生を中心とした研修生派遣を主軸に活動しています。

前田実咲さん
慶應義塾大学経済学部3年。アデオジャパン所属。2011年8-12月に世界最大のソマリア難民キャンプ等にてNGO研修。他には、約50年振りに日本で開催されるIMF世銀年次総会中や前後のユース枠を担当するDevelopment Japanの共同代表。TICAD Ⅴ学生プロジェクト東日本実行委員長。国連フォーラム幹事会所属。趣味は旅とダンス。現在は第三世界フェミニズムを研究。

村岡楓公さん
2011年よりアデオジャパンに所属。東京大学前期教養学部文科一類2年、法学部進学予定。現在はTICAD V学生プロジェクトアドボカシー代表として、TICAD Vに向けアフリカ・日本ユースの立場からの提言作成にも取り組む。趣味はバンド活動、音楽鑑賞。

アデオジャパンのこれまで

— まず最初に、アデオジャパンの団体の概要について教えていただけますか。

村岡:ADEOというNGOがアフリカにあり、東アフリカのケニア、ウガンダ、スーダン、ソマリアで活動しています。2003年にそこでインターンをした日本人大学生2名が帰国してから立ち上げたのが、ADEOのバックアップオフィスとしてのアデオジャパンです。主な活動は研修生をADEO本部に送ることで、その他にアフリカに対する意識啓発活動などを日本国内で行っています。

— 2003年から、活動内容は変わっていないのですか。

村岡:活動内容は変化してきています。

前田:昔は「アフリカ」「HIV」「ユース」という3本軸でやっていました。しかし設立者2人やコアメンバーが社会人になり、いったん活動が停滞。その後もう一回アデオジャパンを頑張ろうよと2009年に再結成し、これから「アフリカ」一本に注力していこうということに落ち着いています。

— もともと、なぜ「HIV」というテーマがあったんですか。

前田:ADEO本部はトップ2人がお医者さんで、保健医療を中心にやっているNGOです。その中でもやっぱりHIVのプロジェクトが多くて、難民や普通のケニア国民を対象にHIV関連のサービスをしています。向こうに日本人の学生が研修生として行って、HIVのプロジェクトと関わる中で、じゃあ日本国内はどうだろう、日本国内でHIVって問題がないわけじゃないよね、と。アフリカでやってきたものを日本でも生かせるものはあるんじゃないかというところに着目していましたが、マンパワーが減ってきている中で、HIVとユースは他の団体さんに任せてアデオではアフリカを主力にしていこうってところで、今の活動に落ち着いています。

アフリカに日本人研修生を送る

— アフリカ事業は、研修生を送るのがメイン、ということですね。

前田:3つの軸に分かれていて、一番の軸が研修生を送ることです。二つめは、ADEO本部に継続的に日本人研修生がいることを生かして現地のプロジェクトを補佐すること。三つめは研修生の体験などを持って帰ってきて日本国内でイベントを実施することです。3つとも全部、研修生の派遣に基づいた活動です。

— ADEO本部にはどれくらい職員がいるのですか。

前田:ADEOとして雇用されている人は500人くらいいます。その中で、難民として雇われている人が300人〜400人くらい。今一番大きなプロジェクトサイトはソマリア難民キャンプなんですけど、そこでの教育事業では、小学校を10校くらい運営していて、教師が一校につき50人ずつくらいいるので、そう考えるとだいたい500人ですね。その大半が難民の教師です。ただ、ADEOのオフィスでNGO職員として働いているのは40〜50人くらい。ナイロビに20人ぐらいと、ダダーブに20〜30人、その他オフィスにちょろちょろって感じです。

— なぜADEOの方たちは日本人を受け入れようと思うのでしょうか。

前田:それがけっこう面白いところなんです。向こうはケニアのNGOだから基本的にケニア人しかいないんですよ。でもそこになぜか日本人の学生がいると、周りから見たとき「あそこのNGOはどうやらインターナショナルだ!」みたいな感じで見えるんですよ。そういう意味で「ただのケニアのNGOじゃないんだぞ!」っていうのを、日本人研修生がいることによって見せられるということが一つ、向こうの思惑としてあります。

もう一つは、研修生を受け入れることによって日本とのつながりができるからです。たとえば、ADEOはいくつか日本の助成金団体や日本の企業さんの助成金に応募してお金をもらっています。このお金にはケニア人だけではアプローチできないじゃないですか。日本語が書ける人がいるからこそ持ってこられる。日本人研修生を受け入れていることによって、日本からのお金が流入してきたり、関係性が生まれることが理由ですかね。

でも日本人研修生を受け入れるのにはすごくコストもかかるし、お世話になっている部分のほうが大きい。だから向こうとしても人材投資という面が大きいんじゃないかなとも思います。将来自分たちの世話になった人たちが大物になってくれたら、自分たちにも利益があるんじゃないか、と向こうの所長さんは見込んでいるのだと思います。

— 何度かプロジェクトという言葉が出てきていますが、プロジェクトってなんでしょう?

前田:NGOは、会社とかのように、去年からの利益があって、それを使って今年何やろうとかっていうものとは違います。NGOは基本的に、国際機関や助成金団体のようなお金を出してくれるところにプロジェクトを提出するんですね。◯年間あるいは◯か月という単位で、たとえば、HIVの感染率を下げる、性教育を広める、教育を実施する、などいろいろあるんですけど、それを一つのプロジェクトとして提出し、そこにお金がつけば予算内でプロジェクトを回しつつ給料も出すことになります。プロジェクトごとにNGOの運営が成り立っている。その意味でのプロジェクトをもとに動いています。

— ADEO本部で実施しているプロジェクトはいくつあるのですか。

前田:お金が出なくなったプロジェクトは終わってしまうし、どこまで細分化するかにもよるんですけど。ダダーブでは、すごく大きく見ると難民キャンプでのHIVと、難民キャンプじゃない地元のコミュニティでの保健医療と、難民キャンプでの教育の3本軸かな。もうちょっと細かく見るとユースのプロジェクトとか、他にもありますが、活動分野というと大きく分けてその3つ。ダダーブ以外のオフィスだと、ナイロビのオフィスで今大きく動いているのが保健省から委託されている保健医療のプロジェクトが1つ。ブシアというウガンダとの国境近くにあるオフィスでは、教育とHIV/AIDSのプロジェクトの2つですかね。細かく見るともっと何十もあるんですけど。

— アデオジャパンでは、プロジェクトごとに研修生を送るのですか。

前田:研修生はプロジェクトサイトごとに送ります。場所ごと、ですね。

村岡:現在のプロジェクトサイトは、ナイロビにあるケニアの本部、ソマリアからの難民が流入しているダダーブ難民キャンプ、ケニア国内にあるブシアという地域の3つです。研修生を送るときは、本部オフィスに1人送るとか、ダダーブに一人送るとかということになっていて、研修生一人につき1つのプロジェクトにあたるわけではないです。向こうで必要とする人員も、そのときどきで変わるので、それによって研修生の人数も決められて。たとえばダダーブ全体で研修生1人しかいらないって言われたら一人しか送りませんし、もしダダーブにもっと来てほしいって言われたら5人くらい送ることもできます。

— 向こうのニーズに合わせて、ということでしょうか。

前田:向こうのニーズっていうか…。ちょっと難しいんですけど、向こうとしては別に研修生を何とも思ってないんですよ。別に来てもいいよー、みたいなレベルなので。

村岡:ニーズっていうよりキャパシティ?

前田:そうそう。1人なら受け入れられるよ、みたいな感じ。向こうが宿泊施設とかも全部用意してくれるので、やっぱり10人とか来ても10人分の用意ができないけれど、1人なら受け入れられるよ、っていうところで。だからADEOのプロジェクトサイトとしてはさっき挙げたナイロビ・ダダーブ難民キャンプ・ブシア以外にもあるんですけど、その他のプロジェクトサイトでは研修生を受け入れるだけのキャパシティがないので、今はその3つが受け入れ先になっています。

(続く »)

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Written by wakamonoiz

2012年9月30日 at 1:40 AM

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