Wakamonoiz

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Climate Youth Japan

自分の生活を賭けて気候変動問題を解決しようとする海外のユース。
その情熱に触れて、自分が情けなくなった。


Climate Youth Japan:廣瀬翔也さんインタビュー
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Twitter公式アカウント:@CYJ_COP

つい先日、メキシコのカンクンで開催されていた「気候変動枠組条約第16回締約国会議」(COP16)が閉幕しました。京都議定書の期限が2012年末に迫る中、ポスト京都議定書の採択を目指しながら、合意に至らなかったCOP15から1年。引き続き先進国と途上国の間の厳しい駆け引きが予想される中、将来世代として何を求めるべきなのか。気候変動問題に取り組み、カンクンにメンバーを派遣するユース団体Climate Youth Japanへのインタビューと現地からの報告を交えて、お伝えします。まずは実際にカンクンに赴くClimate Youth Japan代表の廣瀬翔也さんに、出発直前にお話をうかがいました。

— Climate Youth Japan(以下「CYJ」)の活動について教えてください。

今年の3月に設立されたばかりの団体なので、まだまだ活動実績は少ないのですが、これまでにワークショップを京都や東京で複数回行いました。一回は経産省のご協力をいただいて、行政の方とユース、学生の意見交換をしました。また、講演会でCOP15の報告やぼくらの今後の活動についてをお話しさせていただいたりしています。今はメキシコでCOP16が開かれるので、これまでCOPに参加した経験やネットワークを使って、日本のユースとして団結しようということで、COP16の派遣サポート事業に専念しています。

— そもそもどういうことを目指して設立された団体なんですか。

そもそもの問題意識というか思いは、COP15で知り合った仲間と現地で情報共有や声明を作ったりという活動ができたということが一つ。
また、COP15で出会った海外のユースに比べると日本のユースは全然存在感がない。存在感ゼロといってもおかしくない。このままじゃ日本やばいな、という危機感を持ちました。もちろん日本人が国際社会に出ないといけないというわけではなく、気候変動問題が解決されればなんの問題もないんですけど、あのような様々な国から人が集まる場で日本人の存在感がなかったというのは、悔しいというか、刺激を受けました。

— 毎年開催されるCOPにあわせて活動する、という形なんですか?

まだ3月に設立したばかりなので、そのへんも今模索中です。メンバーが全国各地にいたり、海外にいたりすることもあるので、なかなか顔を合わせる機会がなく、その中で何ができるのか探り探りやっているところです。ワークショップをやるにしても、たとえば京都にいるメンバーが東京に来るときに交通費がかかるだとか、いろんな障害があるので。
でもCOPに合わせた事業というのはぼくらの大きな特徴だと思うので、そこを何かしら関わらせていくのは間違いないです。

— メンバーは今どのくらいいるんですか。

今は10人弱くらいですね。中心になっているのは5名程度です。

— 各地にいる、というのは具体的にはどこに?

関東に3〜4名、東北に1人と、関西に2〜3名ですね。

— するとなかなか活動の連携をとるのが大変ですね。

そうですね。これから1年に1回は合宿形式でどこかに集まろうという話はあるんですが、普段はSkypeなどインターネット上でしかミーティングができないので、それはやっぱり普通のサークルとは違いますね。

— 今回COP16でどのようなことを達成したいですか。

今回COP16には、公募で選ばれた方々と一緒に、CYJからはぼくともう一人のメンバーが参加します。その目的は3つあります。

一つは人材育成。気候変動に限らず「グローバル人材」ってよく聞くじゃないですか。国際的なイベントでリードしているのはやっぱり欧米だとぼくは思うんですよ。その中でアジアの主要国としてリーダーシップをとるような人材を輩出したいです。

二つ目に意識啓発です。メキシコに行くというのがなによりの意識啓発で、色んな価値観が変わるし、刺激を受けるでしょう。ただ、それを行った人だけでとどめるのではなくて、今回は国内に残るメンバーがいるので、国内との連携をして、全国規模で生の情報を送って、同世代でCOP16という気候変動の国際会議でグローバルなレベルで活動しているユースがいるんだということを伝えて、少しでも普段環境活動に取り組んでいる学生のみなさんに刺激になったら、と思っています。

三つ目が国際社会における日本のユースのプレゼンスの向上。さきほども言ったようにCOP15では日本のユースの存在感がゼロだったので、今回は少しでも発言したり、会場内でいろんなアクション、デモンストレーションを行うことを計画しています。それによって「日本のユースがんばっているじゃん」というような一つのステップができればと思っていますね。

— COP16ではどういうことが争点になるんですか。

絶望的とは言われていますが、京都議定書以降の枠組みが一番の争点です。そのほか、資金メカニズムの話とかCO2の算出方法とか、いろんな細かい話はありますが。ただ、このCOP16での合意は難しいと言われているので、COP17で合意しますという約束ができるかできないかが焦点です。

— 日本のユースとして、あるいは世界のユースとしてまとまって、カンクンではどういうことを求めていくのですか。

日本のユースとしては声明を作っているのですが、その中で「産業革命以降の気温上昇を2℃以内におさえる、とカンクン議定書に書いてください」ということを書いています。

— 「カンクン議定書」というものが作られる見通しだということですね。

それもまだわからないです。
声明を作る上でも、学生が言うことなので、専門性をどれだけ持たせるか、作る上でけっこう議論になりましたが、ユースだから自由な立場から言える自由さを尊重しようということになりました。この声明に関しては、2013年以降の枠組はCOP16でできる、という前提で書いているので、一般的に見ると過激なことを言っています。日本政府に対して、「2℃以内という文言をカンクン議定書に入れてください」とか「国際的な資金や技術協力についてリーダーシップをとってください」というような話とかも入っています。声明はブログに掲載されているので、ぜひ見ていただきたいと思います。

— 専門性の乏しさというのはユースにとって難しい問題だと思うんですが、CYJではどのように考えていますか。専門性をどのくらい持たせようという形でやっているんですか。

それはCOP15のときにも論点になりましたが、結論から言うと、専門性に関する明確なアプローチは見えていません。
自由にものを言っても、見る側である政府代表団の方からしたら「何も知らないからそんなことが言えるのだ」となってしまう。でもCYJの中にも院生など専門的に勉強している方はいるので、ある程度の知識はありますよ、という姿勢を見せることによって、「ああ勉強してるじゃん」「分かった上でこういうこと言ってるんだな」という視点で見ていただけると、ぼくらの言っていることも説得力が増すと思います。
今回は声明という形なので、やることに意義があるというスタンスですが、政策提言という形になったときにはぼくらができる限りの専門性を持たせることが大切かな、と思っています。

— 実際に政策を提言する計画はあるんですか。

今回のCOP16ではありません。ただ、COP17や、一年を通して色んな会議があるので、タイミングを見計らって環境省にアポをとるといったことは十分にありえます。

— 海外のユースはどのような点で存在感があり、日本のユースに比べ優っているのですか。もちろん、海外といっても色々な国があると思いますが。

大きく二つあると思っています。

一つは欧米のユース。11月26日から3日間、気候変動に関するユースだけの国際会議があります。Conference Of Youth (COY)と言われるものなんですが、気候変動に関連するいろいろなトピックについてワークショップがあったり、各国の行っている活動の経験、失敗談、成功例を共有したり、あるいはボランティアによるスピーチだとか、色んな活動があります。1000人規模で集まるイベントなんですけど、それを組織している欧米ユースはものすごいなと思います。それをやっているのはメキシコ人ではなく、コペンハーゲンで開かれた去年ならデンマーク人じゃない。インターネット上で一度も顔を合わせることなく、あれだけのイベントを組織するスキルはすごいな、って思います。

もう一つは途上国のユースの情熱。あれはやっぱりもう、違う。COP15で会った途上国のユースは、ほんとうに自分の生活を賭けて来ていました。ぼくや他の日本ユースの多くは、研究のためだとか、ちょっと興味があったとか、途上国ユースと比べたら安易な気持ちで来ていた。そういうふうに考えさせられことがあって、本気でこのCOP15、COP16で自分の生活を賭けて、政府の代表団に13年以降の枠組を作ってほしいんだと要求する。そのように本気で活動に専念しているのは、すごい。自分が情けなくなりましたね。こんな思いで来ちゃまずいだろって。

そういう意味で海外ユースのすごさを感じました。

— そういう中で、日本のユースとしてどのような戦略で自分たちの強みをアピールしていきますか。

今回のCOP16に関しては、やはりCOPという場でまだまだ日本ユースとしての礎がないので、まずは礎を作るステップとしてCOP16はとらえたいなと思っています。来年南アフリカで開催されるCOP17も視野に入れています。

それから長期的な視点でいえば、日本という国はアジアの中で経済的に発展しているという立ち位置にある。衰退しているという見方はあるにしろ、まだ現時点ではGDPで言えば世界3位という中で、リーダーシップの取り方によってはいろんな可能性がある国です。

あとは、これはぼくの個人的な考え方ですが、日本の文化というのが世界にアピールできるのではないかと思っています。たとえば神道など宗教的なところでいっても、自然に対する日本人の考え方はすごい独特だと思うんですよね。たとえば「いただきます」と言うのは、作ってくれた人たちや食べ物を与えてくれる自然に対する感謝の気持ちを表している。今だったら紅葉だったり、旬な食べ物だったり、四季がある中で自然の恵みへの感受性が豊か。「MOTTAINAI」キャンペーンとかあったじゃないですか。あれも物に対する敬意だと思うんですね。そういう日本人としての自然に対する姿勢を世界にアピールできるのかなと思います。

(続く »)

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Written by wakamonoiz

2010年12月15日 at 5:13 AM

Posted in インタビュー